このページは価格戦略 5.新製品・新技術においての価格設定の続きになります。

読んでいない場合1から順に読んでいただくと理解が深まると思います。

業者間の価格設定

業者は消費者に対しての価格設定だけではなく、業者間での価格も決定していきます。

この場合、自社の利益の促進という視点ではなく「取引先の利益」「自社の利益」の妥協点を模索することになり、主に重要になるのは「交渉」になってきます。

製造業者は、卸売業者や販売業者に少しでも高い価格で販売したいと考え、

卸売業者は製造御者から少しでも低価格で仕入れ販売業者に少しでも高く販売したいと考え、小売業者は製造業者や卸売業者から少しでも安く仕入れたいと考えます。

しかし、当然ライバル業者が存在するので、自社の利益だけを考えていては取引相手がいなくなってしまいます。

そこで、

「安くする代わりに○○出来ないか?」
「高く買う代わりに○○してもらえないか?」

など、条件の下、お互いが納得する妥協点を見い出し価格を決定していき、基本的な方法として以下の法方を用いられます。

①割引価格政策

1)数量割引

大量購入した買い手に対し、割引をします。

例えば、100単位以上の購入なら、1単位あたり○○円、○○%、100単位未満だと1単位あたり○○円、○○%の割引にするなどになります。

2)現金割引

手形や掛け払い(代金の支払いを後日、一回~数回で行うこと)ではなく、即座に現金で支払いをする買い手に対し割引をします。

これらの場合、販売者側は大量販売で利益になり、後日支払いがないなどのリスクが減り、早期の現金収入になるなどのメリットがあります。

購入者側には、安く仕入れる事で、販売時の利益を拡大できるなどが考えられ、双方にメリットが生まれます。

3)機能割引

製造業者が流通業者(製造業以外で製品の流通に関わっている業者、小売り、卸売業者など)の「販売」「保管」「記録」などの機能に対して割引をします。

製造業者に対しいかに有効な機能を有しているかの評価になり、例えば、卸売業は、需給調整、流通の整備、流通の短縮化などの面で非常に役立つ存在ですし、小売業は、製造された製品を直接消費者に販売する機能を担っています。

この様な機能レベルに応じて割引価格を設定します。

なので、小売業より、卸売業の方が製造業者にとって多く機能しているので、卸売業者の方が割引率が大きくなる場合が多くあります。

4)季節割引

オフシーズンなど需要が少ない時期に、買い手側に割引を行います。

例えば、旅館やホテル、航空会社など季節や時期によって需要の変動が起きます。なので、その様な時期などに、割引を行い需要を増やす方法をとったりもします。

 

これら以外の方法でも双方が納得した上であれば形式に囚われず、様々な観点から方法を考え出す事が可能です。

ただし、本来は「正当な価格」で買い手を納得させ、過度な割引は避け慎重に決定しなくてはいけません。

割引を慣行化してしまうと買い手側は、割引が「当然の事」となり過度な要求にも繋がり、売り手側は利益に伸び悩み、また「価値」そのものを下げてしまう事にもなり事業継続が出来なく自滅にも繋がってしまいます。

なので、価格設定で最も努力はするべきなのは「消費者の要望に企業側が応える努力」をだけを行うのではなく「販売者側の希望の価格を、消費者に納得させる努力」が必要と言う訳です。

 

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